SCP-3998

SCP-3998 - The Wicker Witch Lives (ウィッカー・ウィッチは生きている)
© Fantem 2017

Item #: SCP-3998
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回収時のSCP-3998。

Object Class: Safe

取扱方: SCP-3998は安全保管ロッカー3998-1(SHL 3998-1)に収容されます。SHL-3998-1には防火措置を施し、酸素が入るのを防ぐために真空封入しなければいけません。SCP-3998とSHL-3998-1は毎日午前9:00に清掃が予定されます。

Dクラス職員の自発的な発火事象が起こった場合、SCP-3998の収容ロッカーの封を点検し、必要に応じて修復/交換しなければいけません。安全上の理由から、サイト-34にはDクラス職員、特に第一級殺人および家庭内暴力で有罪判決を受けている者を配備しなければいけません。

職員がSCP-3998の標的となったことが判明した場合、それらの職員は調査の後に処理されます。

概要: SCP-3998は17世紀後半に死亡した人間の死体です。SCP-3998には脚部が欠如しており、広範な第四度熱傷に覆われています。死後の何処かの時点で、SCP-3998の残骸は収集され、編み細工・釘・ワイヤーで一つに纏め上げることによって、案山子の形状に仕立て上げられています。深刻な火傷に加え、SCP-3998は身体の複数箇所に鈍的外傷を負っているようです — SCP-3998の死因がどちらか片方なのか、両方なのかは不明確です(試験3998-6を参照)。

当該オブジェクトは、主にエタノールとヒト脂肪からなる可燃性の液体を継続的に骨から滲出させています。毎晩、午後11:00から翌日の午前4:00まで、SCP-3998は発火して炎に包まれます。しかしながら、極めて可燃性が高いにも拘らず、SCP-3998は構造的なダメージを一切受けません。SCP-3998が炎上している状態で適切に収容されていない場合、最も近くにいる特定条件を満たした人物もまた自発的に発火します。

SCP-3998は、恋愛関係にあった相手を殺害 (*1)、または肉体的に虐待した人物を標的とします。自己発火できない状態のSCP-3998は、標的を発火させることもできません。その代わり、標的とされていたであろう人物は、胸部または後頭部に短期間の軽い痛みを感じます。

標的が燃えるままに放置されていると、大量の沸騰したエタノールが胃の中に出現します。このアルコールの大量流入は通常、嘔吐を誘発して更なる外部熱傷を引き起こし、仮に標的が初期の炎上を生き延びたとしても、多くの場合は恒久的な神経および臓器の損傷をもたらします。

最終的には、標的の体脂肪、特に胴体部/腹部のそれが溶け始めます。このプロセスは極めて急速であり、もし標的が第四度熱傷で死亡する前に成功裏に消火された場合、しばしば大規模な体内へのダメージを及ぼします。

炎上を放置すると、溶けた脂肪とエタノールの混合物が胃の激しい破裂を招き、その過程で往々にして犠牲者の肉体は二分されます。SCP-3998が消火されない限り、SCP-3998に影響された人物の消火は不可能です。




補遺-3998-1:

F-3998-0
序文-3998-0
序文-3998-0

scp3998.PNG

以下はSCP-3998関連の文書・資料、並びにSCP-3998が当初発見された不動産から回収された関連する手紙・記事の部分的集合です。

これらの文書群は、特殊3998クリアランスを有する職員、現任のサイト-34管理官、O5指定職員のみに閲覧が許可されます。



J-3998-1
手記-3998-1

序: 以下は、SCP-3998に関連すると思われる、セイラムで同時代に書かれた日誌の抜粋です。日誌に見られる証拠は、SCP-3998と17世紀のセイラム居住者であるキャンディス・ヘイズの間に何らかの関連性があることを示唆しています。日誌の大半は、SCP-3998が発見された不動産の近隣に位置する歴史的建造物の地下および屋根裏で見つかりました。



日誌1、著者: メアリー・A███、1682年
エイデン・ヘイズとキャンディスの結婚式に参加。キャンディスはかなり取り乱しているようだった。花嫁の父親は結婚した彼女の様子を見て酷く悩み通しだった — 彼女が感謝の念を抱いていないことは恥ずべきことだ。とりわけ、エイデン・ヘイズのように尊敬されている男性と共にいるというのに。
日誌2、著者: メアリー・A███、1683年
キャンディスは変わった。かつては髪を結っていたのに、今では長く伸ばしている。よく痣を作っているのを見る。彼女は、一人きりになって森へ行くためのありとあらゆる言い訳を探し続けている。
日誌3、著者: メアリー・A███、1683年
今日、興味をそそられる事を耳にした。マルガレーテは近頃キャンディスが女としての義務をどれだけ避けているか指摘したし、彼女は悪い妻だからエイデンが腹を立てているのかもしれないという話を聞いた。そうなると痣の件も筋が通る。
日誌4、著者: メアリー・A███、1691年
洗濯物を洗うために外に出ると、キャンディスが夫に向かって叫んでいるのが聞こえた。

一体何があったのかと尋ねに行ったが、キャンディスは私を一蹴して“お節介”呼ばわりした。あの女主人の無礼さと軽蔑の度合いときたら相当なものだが、予想して然るべきだった。他の女たちにもこの事を話に行こうかなと思っている。
日誌5、著者: メアリー・A███、1692年
最近、キャンディスについて幾つか不穏な話を聞いている。エイデンと結婚して以来、彼女は彷徨い歩くことが増えた。それに、彼女が男と臥所を共にすることに興味を持たないという噂もある。

悪魔が彼女に憑り付いているに違いない。多分エイデンならあの淫婦に対して何をすべきか分かっているだろう。明日彼に話そうと思う。



Int-3998-2
インタビュー-3998-0

序: 以下のインタビューは、1693年6月8日、ウィリアム・ストートン裁判官とセイラムの警察官らによって実施されました。インタビューは分かりやすくするために元の文書から編集されています。



ウィリアム・ストートン: 逮捕令状を提示された際、お前は即座に逃走した。これに加え、お前は焼きごてを押されるまで話すことを拒み、また夫の証言はお前に対する疑惑を呼んでいる。これに対して何か申し開きはあるか?

キャンディス・ヘイズ: …それに関して言うことはありません。嘘は吐きません、告発は真実です。

ストートン: では魔女であることを認めるのだな? 悪霊と交わったことを認めるのか?

キャンディス: 認めます。しかし、彼女は心底から邪悪な者ではありません。

ストートン: 神の御名において、いったい何がお前を斯くも憎むべき所業の道へと走らせたのだ?

キャンディス: 彼らは憎むべきものではありません。彼らは神様のためにでも、サタンのためにでも、それ以外のどのような者たちのためにでも働くでしょう。彼らはただ道具の一種に過ぎません。

ストートン: 質問への答えになっていない。

キャンディス: 分かり切った事ではありませんか? 私は結婚を望んでいなかったのに、父の教会でろくでなしの下へ嫁ぐことになりました。あの男は私を気遣っていません — 彼にとって私は財産なのです。

ストートン: まるでリリスのような物言いだな。それこそ女がいるべき場なのだ。お前はただ良き妻として-

キャンディス: 黙りなさい! どうすれば憎んでいる男のために良き妻になれると言うんですか。私が気に掛けているのはクローヴィスのことだけです、彼女以外の者にこの気持ちが向くようならば呪われても構いません。私の最期の願いは、あのろくでなしが膝を突き、私が今まで受けてきたように扱われることを見ることになるでしょう。

ストートン: クローヴィス? これは召喚した悪魔の名か? 其奴がお前を魅了したのか。

キャンディス: 彼女は私を魅了しましたが、貴方が思っているようなやり方ではありませんでした。

ストートン: それは問題ではない。お前の告白は得られたのだ。お前のように傲岸な魔女は火炙りの刑とする。我々はお前の“クローヴィス”が地獄でお前をどう扱うかを見るとしよう。我等の君主と淑女、王と女王の名の下に、神がお前の魂に慈悲を与え賜わん事を。

キャンディス: それならそれで構いません。



Doc-3998-3
文書-3998-3

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L-3998-4
手紙-3998-4

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注: この手紙は屋敷の地下室にて、枕の下から発見されました。手紙は封がされ、未開封のままでした。

Doc-3998-5
文書-3998-5

序: 以下の文書は、“ウィッカー・ウィッチ”と呼ばれる実体についての都市伝説Webサイトから抜粋したものです。補強証拠を基に、この実体はキャンディス・ヘイズであると仮定されています。



編み細工の魔女 (ウィッカー・ウィッチ)

かつて、意に反して男の下に嫁がされた若い女がいた。彼女は男を嫌っていたが、自分の教会のために子を産んでほしいという父親の願いに従った。ある悪霊がこれを見て、森を歩いていた彼女の下を訪れた。サキュバスは彼女の手を取って言った、「私なら、貴方が真に生きたいと願う人生を手に入れる手助けができます。ちょっとした物を引き換えに捨てていただけるのならば」

「私の魂をもらおうと言うの?」 女は言った。

「ええ、」 女悪魔は言った。

「私は裕福になれるかしら?」 女は尋ねた。

「金銭では得ることの叶わない力を持つことになるでしょう」 霊は答えた。

「真実の愛を手に入れることができるかしら?」 女は尋ねた。

霊は黙った。 「私には分かりません」

女は申し出を熟考し、もう一度だけ尋ねた。 「貴方は私の魂で何をしようというの?」

この質問は悪魔を驚かせたが、それは平静を保った。悪魔は彼女にこう答えた。 「魂は消費されます。それ以上でも、それ以下でもありませんよ」

女は受け入れ、霊と10年間毎日顔を合わせ、そして親しくなっていった。彼女は霊の下へ果実や小さな装身具を持っていき、霊は彼女に助言をしたり、仲間と引き合わせたりした。霊は彼女の質問に答え、彼女に魔術を教えた。女はやがて魔女となり、その力を使って、夫が彼女を苦しめるのと同じやり方で夫を苦しめた。

ある日、彼女の夫は後を追い、彼女が悪魔の尾を揺り動かしているのを見つけた。彼は密かに町へ戻り、群衆を集めた。彼らは女を杭に縛り付け、脚を折り、案山子のように吊り下げて火炙りにした。

彼らは女の死体を山に打ち棄てたが、悪魔は彼女を見つけ出した — 魂を返すために。

悪魔は彼女の骨を葦で包み、彼女を生かし続けるために魂の炎を使った。だがその火は彼女を呑みこみ、彼女はかつての夫が自分と共に燃えゆくことを求めた。

真夜中、彼女は自分の身を夫のジンに浸し、再び己の身に火を点けた。彼女は夫をベッドから引きずり出すと、その上に倒れ込んだ。彼女は彼の顔を燃やし、親指で彼の目を頭蓋から抉りだした。

彼女は、夫の肉が床に溶け出し、臭気がセイラムの何処にいても嗅ぎ付けられるようになるまで共に燃え続けた。彼女は夫の脚を掴むと、千切れるまで引っ張り続け、その脚を使ってもう一度自分が歩けるようにした。

燃えてゆく家から歩き去ったのは二人のうち一人だけであり、それこそ彼女だった。夫の死体は決して見つからなかった ― ある者は夫が失った脚を求めて瓦礫の中から無益に這い出してきたと言い、またある者は魔女が夫の死体を拷問し続けるために何処かに持ち去ったのだと言う。しかし多くの者たちは、夫は魔女が自ら作り上げた地獄の中で何度も何度も燃え上がり、彼と同じような者たちを道連れにしては永遠に罰しているのだと言っている。

魔女に関しては、確かに言えることはたった一つ。ウィッカー・ウィッチは、生きている。



E-3998-3
試験-3998-6

序: SCP-3998の更なる調査により、死体が当初考えられていたようにキャンディス・ヘイズでは無いことを示唆する骨の構造/位置の矛盾が明らかになりました。以下は結果の医学的報告です。



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補遺-3998-2: SCP-3998の収容後、マサチューセッツ州における一日あたりの殺人件数が、0.32件から0.48件への特筆に値する増加を示しました。これらの死の大部分は放火殺人であり、犠牲者たちは暴力犯罪の加害者であることが知られています。犠牲者は第四度熱傷に覆われており、胸部から骨盤にかけて内臓が抉りだされていました。

これらの殺人に関する情報は、死体が公共の場で発見され、“ウィッカー・ウィッチ”の仕業であると見做されたために収容ができませんでした。一般民衆は、これらの殺人事件の加害者はウィッカー・ウィッチ伝説にインスピレーションを得た連続殺人鬼であるという説を信じるように誘導されています。Euclidへの分類は、関係者の捕縛と収容待ちの状態です。

  • 最終更新:2017-04-23 02:05:37

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