SCP-2988-1

SCP-2988 » 補遺2988-3
© OZ Ouroboros 2015


文書2988・第1集、A-12より翻訳:████/██/██付けで回収。文書はSCP-2746の聖堂内よりより糸で束ねられた状態で回収。壁の崩れかかった箇所に、複数のレンガによって隠されていた。ブチハイエナ(Crocuta crocuta)に類似したDNAの痕跡が紙より発見された。文字はインクを付した爪で引き掻いて記したものと推測される。

雪は降り続けている。僕の旧友と生き残った友人の血も降っている。造物主の令から███日だ。戦いが始まってから███日、Adairが飢えたのに引き裂かれてから███日、兄弟のように思っていたMaddock、そのMaddockがHahnを食ってから███日、Hadassahが愚かにも「怒り」に与して磔にされてから██日。彼女が頭を地面に向けて吊られたのを、焼き付く雪に悲鳴を上げていたのを僕は見た。凍った肌が紙のように剥がれ落ちていくのも。僕は助けられなかった。僕は助けるべきではなかった。彼女は異端者で、本来なら当然の報いを受けたのだ。SuiwardとSariの正しさを理解している正気の者なら、当然分かっているはずだ。それなのにどうして、どうして、皆は不敬で、不信心で、造物主を打ち倒せる等とふざけたことを言っている奴らに就こうとするのか。

これまでの2週間、氷に閉ざされたぼろ小屋に隠れるしかなかった。野良の、飢えた動物が僕を嗅ぎつけたり掘り起こしたりしないように祈りながら望みながら。

ひどく腹が減った。造物主は食べることで魂が救われるというが、まるで真実とは思えない。同輩の彼らをズタズタにした所で、少しも良くはならないだろう。

Suiward、Sari、どうか僕を見つけてくれ。外を走っている狂った奴らから助けてくれ。

腹が減っている。ひどく。
空腹に突き動かされて、今日は外に出てみた。まともに食べられる植物も無かったし、何かを製作する力も残っていない。一歩出ただけで足がヒリヒリと痛い。外出をすぐに後悔した。

外にはWieverrがいた。恐らくWieverrだ。背を向けてはいたが、あの黒い毛並みと尻尾の引き攣りは見覚えがあった。

あいつは誰かを食べていた。誰かは分からないが、僕は声を漏らして彼に気づかれた。

僕は逃げた。精一杯逃げた。行き先もわからず、顔は雪まみれで、胸は恐怖で一杯で、すぐ後ろではWieverrの息遣いが聞こえていた。

僕は逃げきれなかった。Wieverrに追いつかれて、前足を歯で突き刺されて、半分持って行かれたかのように叫んだ。潰された。骨がガラスみたいに砕けてひどく痛い。痛い痛い痛い

そこにThrecciaがやってきた。彼女の牙がWieverrの腹わたを突いて呻き声が上がるやいなや、僕はもう一度全速力で走りだした。

今はもう全部雪の中だ。良いことなんて、足の感覚が無くなったことぐらいだ。
ヤギを見つけた。Gwaerthだったかもしれない。あるいはPraeshard。どちらでも良いが。凍っていたし、食べられていた。首も肋骨も切れ切れになっていた。

一口/噛み/摘み(??) (*1)した所で、罪/犯罪にはならないよな?元より大して残ってはいなかったし、きちんと埋めてやった。治癒の余地も無かったはずだ飢え死にしそうなんだから、仕方ないじゃないか。
歩き続けた。聖堂を見つけた。中は冷えている。

外よりはマシだ。中に入った。

途切れ途切れ。飛んだ。いつからか分からない。

炉には枝と葉があった。香草も。味はクソ(??)だった。

空腹だ。
造物主よ、お許し下さい。全て埋めたわけではなかった。少しを支え棒にした。残りは噛む為に。
造物主よ、お許し下さい。私は(擦れて判読不能)畜生、足の指が。

(次の2ページは"お許し下さい"のフレーズと、筆者の知人と思われる者の名前で埋められている。)

もう一度書き始める。骨が味を失ったのはいつからだったか。もう彼らからは取り尽くしてしまったのか?身体丸ごと持って来れば
舐めた。空腹だ。

役に立たない。

嫌だ。絶対にやらない。嫌 嫌 嫌 嫌 嫌

(文書の下半分は噛まれた形跡があるものの、文字が記された様子は無い。)

いつから隅にこの器具/杖/道具があったんだ?雪を舐めていたら埋まっていた。良き日ならすぐに製作に取り掛かったことだろう。今は役に立たない。手を付ける元が無いことには。
もし製作が出来たなら?炉には部品/要素/材料(??)がある。しかしもっと必要だ。何にしても食べ物が最優先だ。
終わった。(この語より以下に、複数の手書きのシンボル・ルーン文字が見られ、儀式的な役割を持つと考えられる。シンボルの意味は研究が進行中。)
紙が尽きそうだ。実は最後の四枚だ。製作の途中で噛んだ/咥えた/噛みつぶした(??)のと、血を止めるのにいくらか使った。痛かった価値はあった。あのままだと完成まで持たなかっただろう。枝や香草を製作に使ったのもある。出来たのは小さな芽(??)で、果物が出来る。採れたのを全部食べて、吐き戻すところだった。

生まれてこれほど美味しいものを食べたことは無い。せめて僕の足が上に乗っかっていなければ。場違い極まりない。無くなった足の指については考えたくもない。

原語版


  • 最終更新:2016-09-18 11:15:37

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