SCP-298

SCP-298 - The Blood Organ (血のオルガン)
© snorlison 2008

Item #: SCP-298

Object Class: Safe

取扱方: SCP-298は実験が実施されないときは常時分解しておきます。標準の手順に従い、SCP-298の各部品には個別のシリアル番号が刻印され無線発信機が取り付けられています。部品を交換したときのSCP-298の効果のため、SCP-298の元の構成部品を交換する要求は特別の承認を受けなければなりません。

概要: SCP-298は製造元不明のチェンバーオルガン (*1) です。対象は1400年代のどこかで、当時の神聖ローマ帝国において作成されたと思われます。1450年以前に作成されたすべてのパイプオルガンの例に倣い、対象にはストップ (*2)制御機構がありません。演奏によって発生する説明のつかない物理的効果が、SCP-298が存在している期間中ずっとあったのか、それとも過去のある時点で未知の出来事が起きてそのようになったのかは不明です。

SCP-298は演奏することにより、人間の被験者の体内の血液がゆっくりと体外に排出され、同時にセルロースなどの繊維状物質のような堅さを帯びるという現象を引き起こします。オルガンのキーボードの後方半径2メートル、中心角30度の扇形の内部にいる被験者の血液に対しては、SCP-298の影響は見られません。この効果が発生している間、生存中の被験者はすさまじい物理的な力によって麻痺させられると報告しています。SCP-298の効果はオルガンの演奏中のみ継続します。これらの効果は多くの場合致命的ですが、これはSCP-298の演奏の継続時間と密接な相関関係があります。SCP-298の影響を受けたものは血液の喪失または高血圧に対応するショックの症状を示します。

SCP-298の効果のメカニズムは本質的に純粋に音波によるものであることが特定されました。防音室内の被験者は、SCP-298の演奏中に物理的に近接していたにもかかわらず、この装置の影響をまったく受けませんでした。アクティブノイズコントロール (*3)による実験では、SCP-298の効果を完全に中和することはまだできていません。最新のアクティブノイズコントロールシステムを使うことで、わずかな高血圧および被験者の報告によると強烈な痛みと圧迫感というところまで影響を抑えることができました。

SCP-298の発する音色のハイファイ (*4)。原音に忠実という意味。日本で略語であるHi-Fi(ハイファイ)という用語のほうが一般的であるためこのように訳した。)録音ではSCP-298の効果を複製することはできません。このSCPには、血液の物理的な変形をもたらす未発見の音声成分がさらに存在するようです。

変質した血液の物理的、化学的、元素的成分の検査によりいくらかのデータが得られました。体外に排出された血液は酸素を吸収する能力を維持しています。酸素を取り除いた環境では、血液は暗い茶色を呈します。真空環境ではヘモグロビンが脱酸素化され、紫色を呈します。十分な酸素が導入されると、ほとんど瞬時に色は明るい赤色になります。これらの効果は通常の血液の化学的な性質と完全に一致しています。さらなる化学的分析の結果、ほとんどの場合において、この変質した血液は化学的な面で通常の血液と同一であると断定されています。

しかし、物理的性質の面では、SCP-298の影響を受けた血液はまったく異なる物質です。血液は異常な弾性を持ちます。これまでの張力実験ではまだ降伏 (*5)から塑性変形(粘土のように、力を取り除いても変形が永続的に残る変形)に移行し、変形が完全には元に戻らなくなる。この現象を降伏という。)限界に達していません。変質した血液物質の変形の観察において、非弾性は一切示されませんでした。変質した血液物質でできた蔓を破壊するためには非常に大きい力を要しました。血液の化学的成分を変更する(例: 燃焼させる)ことにより、この分野において最もよい結果を得ることができました。SCP-238の影響を受けた血液は、現象が継続している間じゅう摂氏38度(華氏100度)に近い温度を保ちます。

その他の物理的性質の変化には一貫性がなく、SCP-298が発する特定の音色が聞こえることとなんらかの関係があるようです。変化は永久的なものではありません。――オルガンが47秒間演奏されなかった場合、変質した血液はすべて液体の状態に戻ります。変質した血液がいったん体外に排出されたときにとる外見は、葉のない樹木に類似しています。

SCP-298の構成部品を、オルガンの部品として機能するように他のオルガンに取り付けた場合、そのオルガンはSCP-298に関連した効果を発生させます。物理的な変形ほど劇的なものではありませんが、影響を受けたオルガンは被験者からの自然な出血および血液の粘度の増加を引き起こすことができました。対象には一般的に演奏者自身も含まれます。

長年にわたり、SCP-298の元の構成部品のいくつかはメンテナンスと交換を必要としてきました。個々の構成部品を適切な複製品に交換しても機構全体の機能への影響はないようです。直ちに観察される効果ではありませんが、交換された部品は時とともに、もともとSCP-298と無関係のオルガンに組み込んで演奏したときに効果を発生させる能力を獲得します。

SCP-298は、血液の温度が人間の体温に近いかぎり、効果に曝露される前に人間から抽出された血液にも影響を及ぼします。したがって、人間の被験者を用いたさらなる研究は一時中止されます。変質した血液の物理的性質についてのさらなる試験は、ボランティアから採血した血液を用いて継続することができます。



補遺:

298a: SCP-298の部品を破壊しないでください。人間の血液の物理的性質の急変の裏にある物理学を超越したメカニズムについて、さらなる研究に着手せねばなりません。一般的な物質の物理的性質を変換するメカニズムを複製できるようになることで得られる利益は、産業や建築の分野に革命をもたらすことでしょう。

298b: ダメだ。財団の高感度干渉計を298の研究に使うという保留中の要求は却下された。我々のグループの研究班を誹謗したいわけではないが、お前らは自分の要求したもののいくつかについて最低限のラインを少し確かめる必要があるな。ほんとそう思うよ。298はそんな費用が認められるほど重要なものじゃない。

O5-██

  • 最終更新:2016-06-30 04:31:57

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