SCP-2073

SCP-2073 - One Last Lullaby (最期の一度の子守歌)
© Dr Reach 2014

Item #: SCP-2073

Object Class: Euclid

取扱方:現在のSCP-2073-A反復個体は、エリア-08・第2階層、極秘研究セクター内の標準人型収容房に収容されます。SCP-2073-Aが生物学的な息子を設けるに至るまで、その所在と性質はセキュリティクリアランスレベル4の職員及び2/2073認定を受けたエリア-08職員にのみ開示されます。

SCP-2073が財団制御外で発生した場合、あるいはSCP-2073-Aが収容を脱した場合、ただちに極秘機動部隊ϱ-4("赤網")へ通達が成され、再収容の為に配置されます。

概要:SCP-2073は、SCP-2073-Aに指定された個人を中心として発生する現実改変災害の総体です。

SCP-2073事象は複数の局所的な現実改変から成り、その構成要素は既存現実に対して:統一基調(基底現実上の物体表面において暗色の物質が筋状に生成し、頻繁に明白なパターンを成す;また、灰で構成された霧や雲の発生が見られる)、観測可能非合同(典型的に、地盤からのSCP-2073物質出現により周辺の建造物に対して中~大規模の損壊が生じる)と表現されます。多くの目撃者は、徐々に震度の強まる連続した地震としてこの改変を認識します。

SCP-2073は以下の条件が満たされた場合にのみ発生します:

  1. SCP-2073-Aが過去数年の間に生物学的な息子を設けている。 (*1)
  2. SCP-2073が発生すること、及び放置された場合にXK-クラス:世界終焉シナリオの起点となることをSCP-2073-Aが確信している。

一旦SCP-2073が顕在した場合、SCP-2073-Aは典型的に長男の至近で自殺を遂行することを試みます。この"ララバイ・イベント"と指定される事象は長男の出生から3年から10年の間に発生します。イベントの遂行に伴い、長男は新たな潜在SCP-2073-A個体に変化します。

ララバイ・イベントが延期された場合、SCP-2073の顕在の度合は2時間から10時間で最大に達します。この時の現実改変は周囲の建築物に大きな損壊をもたらし、局所的な地殻変動または(あるいは同時に)異常な気象現象(風速50kmを超える風・灰で構成された雲等)を発生させます。これらの局所的な現実改変の影響範囲における観測から、実行意志の欠如や妨害によりララバイ・イベントの完遂が長期間行われない場合、SCP-2073-AはXK-クラス:世界終焉シナリオの起点へ変化するものと推測されます。

現在のSCP-2073-A反復個体に対して、実行意志を促進/強制させる方策が展開されています。

補遺SCP-2073-01:SCP-2073-A-2インタビュー及びララバイ・イベント-2の記録
前書き:SCP-2073-A-2(██████████████████████████、建設作業員)は妻(████████████████)の通報により、家庭内事案の疑いで地元警察に拘留されていた。通報の内容は、SCP-2073-Aはナイフを所持した状態で██████(夫婦の第一子)との接触を図ったとのことであった。SCP-2073-A-2は██████の誕生以来、折に触れて取り乱す・暴力的になる時があったと妻は証言した。

拘留下にある間、SCP-2073-A-2は繰り返し██████へ会わせることまたは彼を連れてくることを要求した。約2時間半の間、この要求は警察官によって拒否され、SCP-2073による現実改変が顕在、サイト-██-████より派遣された財団フィールドエージェントに事件が引き継がれた。家族の3人は全員逮捕され、SCP-2073-A-2の所在であったイリノイ州・Whispering Pinesの警察署において臨時収容が確立された。危険性の疑われるガス漏れがカバーストーリーとして用いられた。

以下に、SCP-2073-A-2とエージェント・█████の間で行われたインタビューの要約を示す。なお、対象は疲労と興奮を伴った状態であった。

エージェント█████:どうしてこのような状況[拘留下]に至ったのかを説明していただけますか。

SCP-2073-A-2:小さい██████に悪いことしようとしたと妻に思われて、警察を呼ばれた。ナイフとかが有ったから、ね。

エージェント█████:実際はどうだったのですか?

SCP-2073-A-2:いや、自分が理想の父親で無いことくらいは分かってるよ!俺は痛めたし、叩いたし、██████もしたさ!でもそれは俺が呑んでる時だけだ、呑んで考えないようにしてる時だ。だって耐えられないだろう、普通に考えて、俺の言ってることが分かるか?

エージェント█████:恐れながら。説明をお願い致します。

SCP-2073-A-2:とにかく、俺達は皆死ぬんだよ、分かるか?(対象は興奮により一時的に口を止める;叫びと共に会話を再開)分かるよな?

エージェント█████:そうですね、事実と言えると思います。

SCP-2073-A-2:だってのに俺達は子供がいるんだよ。(対象はより落ち着いた状態に)俺達はあいつを産んで、それを知って-いや、死ぬことは皆分かってることだろうが、それで思うんだ。ああ、ジョーくんは幸せな人生を送って、ジェニーちゃんは幸せに子供なんか作って、でも結局は皆死ぬんだよな?皆、死んじまうんだ。(対象は沈黙)

エージェント█████:そうですね。

SCP-2073-A-2:(興奮で息をつまらせながら)最近色々と聞こえてくるんだよ。いや、俺の頭がおかしくなったとかじゃなくてな?が聞こえてくるんだ。このクソみたいな状況が降りかかってくるんだと、囁いたんだ。夢も、俺が見たのは-

エージェント█████:どうか落ち着いて下さい、████さん。時間はあるので、自分のタイミングで話して下さい。

SCP-2073-A-2:いいや、時間なんて無いよ、少なくとも俺には。そもそも、俺は全部話して楽になりたかったんだよ、まだ誰にも話てなかったからな…。ああ、それであの子が生まれた時だ。その日は夢を見たんだ。俺はあの子を抱きかかえていて、掴んで泣いてた。あいつは死んでたんだ。腹から内臓がこぼれてて、目は抜け落ちて…。全部が黒い泥まみれで燃えていた、空には煙が上って、でも星はまだ見えていた!それが-、とにかく変だった。場違いな、列に並んでいて…。そもそも、空が場違いに"思える"ってどういうことだ?(対象は囁いて)それで、なあ、人"じゃない"ようなモノがいたんだ、少しだけ人で、そこら中にいて、俺がやらなかったのだと囁いていた。

エージェント█████:何を?

SCP-2073-A-2:俺の役目をだよ。いつもそんな夢で、何ヵ月も何ヵ月も何ヵ月も続いて、あげく起きている時も見るようになった。黒い泥、燃える世界、灰と煙、あの訳の分からない空にあいつらが、ひたすらさまよいながら、俺がやらなかったって喚いてるんだ。

エージェント█████:あなたの役目とは何ですか?

SCP-2073-A-2:俺は手渡さなければいけない。

エージェント█████:何を手渡すのですか?

SCP-2073-A-2:何でも、それは…俺の責任、俺達の責任だ。

エージェント█████:あなたはこのイベントの発生を防ぐ為にこれを行うのですか?これまでに同じようなこと見たことが?(付記:エージェントは室内におけるSCP-2073の顕在化について言及。エージェント・目撃者の報告では、"暗く、筋状の組織が壁や天井に生成、ひび割れは丸等の幾何学形状を作っていた。"最後の要素は未知の言語と推測される。)

SCP-2073-A-2:い、いや。壁のひび割れは初めてだ…。とにかく、やらなければいけないんだ。

エージェント█████:自殺によってこれが止められると考えているのですか?

SCP-2073-A-2:違う、そういう-そういうことではなくて、永遠に終わらない。どうして、俺はこんなクソッタレな場所にあいつを-(対象は立ち上がり、SCP-2073物質で構成された可動性の蔓を繰り返し踏みつけた。)もう近くに来てる。

エージェント█████:誰が?

SCP-2073-A-2:まだ見えないが、あいつらは自分の役目をこなしたいだけだ。俺か、それ以外の全部だ。起こらないといけない。

エージェント█████:どこにうまくいくという根拠が?

SCP-2073-A-2:あのさ、お、俺も知らないんだよ!俺が好きでやってると思うか、俺が██████を死なせたいと思うか?俺は見た、夢で見たんだよ。奴ら(付記:SCP-2073-A-2は夢の中の実体について言及していると考えられる)が俺に叩き込んだんだ、おそらく。しばらくはただ信じたくなかったが。大体、誰が望んで人柱なんかになるものか、なあ?(乾いた笑い、低いすすり声)でもここ数ヵ月は…俺の息子もこうなることが分かって、望んじゃいないが…。やらないと、やらないといけない。

エージェント█████:確かにそう思うのですか?

SCP-2073-A-2:ああ。(対象は自身を落ち着かせる)俺がいなくなったら、とにかく、██████に愛してると伝えてくれ。それだけが望みだ。あと強く生きろと。あの子の為だ。(対象は深く吐息)連れてってくれ。誰の子供も結局は死ぬんだよな?少なくともあの子の亡骸は抱かずに済む。

SCP-2073-A-2は警察署の別棟にいた██████の下に移動された。██████は事案の間、引き続き鎮静状態に置かれていた。新たにSCP-2073による局所的現実改変が発生し、施設への物理的損害が進行する。

対象は息子(エージェント・█████の希望により鎮静状態)の傍らに座り、彼を抱きかかえながら他のララバイ・イベントと共通する歌を歌い始める。手順通りにイベントは記録された。

ララバイ・イベント-2にアクセス


管理司令██-███-████-█:認可職員限定

文書は管理司令██-███-████に基づき秘匿されます。レベル5/国際職員の認可を受ける者のみ続行。


  • 最終更新:2016-09-17 17:09:35

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