SCP-1172

SCP-1172 - Double Word Scare (ダブルワード・ス怖)
© deValmont 2012

SCP-1172-Scrabble.JPG
数枚のタイルが見える状態のSCP-1172。タイルは”アラーラ事象”を防止するため、袋に接触したままになっている事に注意。
Item #: SCP-1172

Object Class: Safe

取扱方: SCP-1172は、入退室記録プロトコルを導入している標準的な低セキュリティ保管室であれば、どこにでも保管できます。実験はその場で行う事も可能ですが、もしオブジェクトを輸送する必要がある場合は、袋の口を引き紐と封止クリップで固く閉じ、タイルが袋から離れてしまうリスクを防止するために、袋は発泡体で裏打ちしたケースに直立状態で入れてください。輸送中に袋の口を止めるための高強度封止クリップを、直近の警備詰所に備えておいてください。

タイルのどれかまたは全てが袋から分離してしまった場合、プロトコル実行によって少なくとも全方向に半径10m以内の領域は一掃され、自動化されたロボットが零れたタイルを袋に戻します。これが行われてSCP-1172が完了した場合、エリアへの安全な再入場と袋の確保が可能になります。

概要: SCP-1172は厚い亜麻の繊維で作られた麻袋であり、Pachycereus即ちサボテンの外皮に由来する染料で緑色に染められています。袋の中には100枚の白いプラスチック製タイルが入っており、うち98枚にローマ字の単語が刻印されています。コマに配された文字の数は、店売りされているスクラブル (*1)と同一です。残る2枚の”ワイルドカード”タイルは、通常であれば空白または単一の点がマークされていますが、SCP-1172の場合は若干色が濃く、プラスチック上には単語と同じエンボス加工と塗装が施された目のデザインが刻印されています。この2枚のタイルには得点数が記されていません。この目のデザインを撮影する試みは、全てフィルムに標準的な空白のタイルが写るという結果に終わっています。しかしながら、タイルを絵に描くことは成功しています。

袋からのタイルの除去は、厳格なプロトコルに従って実行しなければなりません。

  • 取り出したタイルを袋から30cm以上離してはいけません。記録上の絶対的な安全限界は54cmです。
  • タイルを1枚取り出したなら、少なくとも6枚は続けて取り出さなければいけません。これらのタイルは、前のものの右側に順番に並べる必要があります。
  • 一回の使用で10枚以上のタイルを取り出してはいけません。終了時には全てのタイルを袋に戻さなければなりません。
SCP-1172-eyetile.JPG
2枚の”ワイルド”タイルに存在する目のデザインの表現。これらのタイルを撮影する試みは成功していない。

これらの基準は、自動化ロボットを用いてタイルを除去し、異常効果が確認できるまでゆっくりと後退させる実験によって確立されました。この違反は、重大な人身事故につながる可能性があります。

タイルを袋から取り出し、左から右に向かって順に並べると、状況の96%(実験173回中166回)においてタイルは英単語を形作ります。これらの単語は、大部分が試験対象者と関連していることが判明しましたが、一部の単語は実験終了後に何らかの出来事が発生するまで関連性が明らかになりませんでした。関連性の無い単語を取得したDクラス職員は、その関連性が観察されるまでは終了手順が免除されます。

残る9名の被験者は、実験中に目のシンボルを描いたタイルを引き当てました。全ての場合において、目のタイルが引き出された後、続けてタイルを引き出そうとした被験者は袋の内側から指で触られる感覚を経験しました。10枚以上タイルを引き出そうとする被験者にも同様の出来事が起こりました。

回収ログ: SCP-1172の袋は、以下の投書がFortean Times誌 (*2)の1月████号に掲載された際に、定期刊行物の査察職務に付いていた財団職員の注意を引きました。
補足資料1172-3A:Fortean Times██号、ページ██:

Fortean Timesへ

突拍子もない話に聞こえるだろうけど、これは僕がある夜、空き家で開かれたパーティーに参加した時の事だ。僕らがたっぷりと *エヘン* “お楽しみのアレコレ”を味わった後で、招待してくれた奴らの1人が屋根裏に僕を呼んで、そこで見つけたというボードゲームの埃っぽい山を見せてくれた。彼はスクラブルの箱を開けて袋を出し、これはクロウリー (*3)が死んだ時に持ち物の中から見つかったとか何とかいう薄気味悪い話をした。彼はその後、詠唱を始めて、僕に袋からタイルを取り出すよう言った。そして、そのタイルは不気味な、でも全部本当のことを言ったんだ! 僕が何枚か取り出した後、彼は止めろと叫んで、下の階に戻るように言ってきた。その晩は、その後ずっと彼の姿を見ないままだった。こんな経験をしたやつが他にいるかい、それともあれは全部、ドラッグにイカれた僕の頭の中だけで起きていたんだろうか?

ダービーのFortFanより
研究者は投書者を特定し、空き家の場所を聞き出しました。エージェント█████と████-██████が、情報を収集し、可能であれば問題のアイテムを取得するべく、ダービーの███████ ████にある███へと派遣されました。家は荒れ果てていましたが、最近まで居住者がいた跡が見られました。スクラブルの箱があった屋根裏への入口はすぐに発見されました。箱の中にはボード・タイルの袋・ルールブックの他にメモが残されていました。
補足資料1172-3D:スクラブルの箱から見つかった手紙

'俺はこいつが誰にも見つからない事を望んでいる。屋根裏のハッチは事情があって封印した。袋を開けるな。袋を使うな。こいつは俺に山ほど恐ろしい事を伝えてきた。彼女は今や俺に向かって叫んでいる、彼女の鬨の声は俺を一晩中眠らせてくれない。彼女はアラーラ。俺は彼女の奴隷だ。袋を使うな。'
“アラーラ”は、ギリシャ神話の、闘いの雄叫びとして使われる甲高い絶叫を女性として擬人化した存在の事です。タイルを袋から54cm以上引き離すと、これに一致する音が120デシベル以上の音量で響き渡ります。この間、袋の周辺領域には直径2mmの穿孔穴が出現し、半径315cm内のあらゆる素材を貫通して1秒あたり3~5個の穴が作られます。これらの穴は高速ビデオキャプチャーではフレーム間に出現しており、穴を空けるための物理的手法は観測されていません。絶叫と穿孔穴の出現は全てのタイルが54cm以内に戻るまで続き、この時点でタイルは現在不明な手段によって袋の中に引き戻されます。赤外線カメラの使用では決定的な結果は得られませんでした。



SCP-1172実験記録

実験1172-A:
実験対象者:D-2532
得られたタイル: T O H A T E T H E M (奴らを嫌うために)
対象との関連性:D-2532は、人種的な動機に基づく一連の殺人事件で1993年に投獄された。対象は幾つかの極右グループの構成員であり、ネオナチを公言している。
1172-Aインタビューログ:██:██から██:██

█████████博士:文字は何を綴っていますか?

D-2532:[聞き取れない]

█████████博士:もう一度言って頂けますか?

D-2532:馬鹿げてる。俺に後悔させようっていうんだな。俺はあれを悔いてなんかいないぞ。

█████████博士:どういう意味ですか?

D-2532:俺は正しい行いをしたという意味だ。

実験1172-B:
実験対象者:D-6634
得られたタイル: C T [目のタイル]
対象との関連性:対象は関連する知識を持っていないと主張。4週間後、対象は痙攣大発作を起こし死亡した。検死により、脳内に、少なくとも2年間は存在していたにも拘らず診断されていなかった凝血塊が見つかった。█████博士は、もしCTスキャンで診断を行っていれば処置が行えたはずだと示唆した。
1172-Bインタビューログ:██:██から██:██

█████████博士:もう1枚、タイルを取ってください。

D-6634:こりゃ何なんだ? ただのスクラブルのタイルじゃねぇだろ。(対象は袋に手を伸ばす) 一体何だってんだ!?

█████████博士:何を経験したのですか?

D-6634:何を経験したかだと!? 何かが俺のこの手に触りやがったんだよ! 濡れた魚みてぇに感じたぞ!

█████████博士:もう一度試してください。 (対象は再び袋に手を伸ばす)

D-6634:クソッ! 何かが指を撫で回してたように感じた。もう二度とやらねぇぞ。冗談じゃねぇ。

█████████博士:もう一度試してください。

D-6634:冗談じゃねぇってんだよ、お断りだ。別な手がその中にあるんだ。間違ってる。

(数回の要求にも拘らず、対象は再び袋に触れる事を拒否した。実験は短縮された。)

実験1172-C:
実験対象者:D-3155
得られたタイル: A L S O T A P E R (訳注:意味不明。)
対象との関連性:現時点では不明。

実験1172-D:
実験対象者:D-4514
得られたタイル: S O C O L D (すごく寒い) [目のタイル]
対象との関連性:対象は関連する知識を持っていないと主張。実験から3日後、D-4514はシャワー室で重度の低体温症と顔面挫傷を負っているのが発見された。被験者の体温は摂氏32.8℃に低下しており、発見から数分で死亡した。シャワー施設周辺の配管内における冷却水の漏れによって水は凍結寸前まで冷えた状態にあり、D-4514は冷水を浴びたショックで足を滑らせ気を失ったと見られる。

補遺: 実験の結果は、取り出されたタイルの順序に応じて大きく変化するように思われます。袋から目のタイルが除去された場合、その前の単語は被験者の死を予知するような性質を有しているように思われます。目のタイルが出なかった場合のフレーズは極めて曖昧な物です。より正確にSCP-1172の能力の限界を確立するため、更に多くの実験が必要とされています。

  • 最終更新:2016-06-19 00:00:21

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