財団的ミーム学入門

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忙しい人のために: 財団で使われている「ミーム」とは?

「ミーム」とは情報の伝達、特に社会における文化情報の伝達に関わる現象についての一つの観点です。情報が人々の間で伝わっていく内に次々と変容を遂げていく様を、遺伝情報の変異になぞらえて理解しようとするアイデアに端を発しています。

「ミーム」と「ミーム的」の関係は「遺伝子」と「遺伝子的」の関係と同一です。

したがって「ミーム」をテレパシーや超能力その他の想像力を具現化する魔法の類だと考えてはいけません。卑近な例を挙げれば、言葉はそれ自体が「ミーム的」存在であり、言葉を理解しようとするプロセスはミーム的影響なのです。

しかし、SCPオブジェクトに関するミームの記述は、言葉のようにありきたりなものよりも何らかの異常な特質を伝えようとするものに偏っています。基本的にミーム的影響は情報にしか作用しません。しかしSCPによるミーム的影響はこの範囲を越えている場合が多く、例えば「翼が生える」というミームを受けると本当に翼が生えたりします。もし人々に翼を生やすことのできる魔法の言葉をSCPにしたいのなら、それはミーム以外の他の言葉で記述されるべきでしょう。

ミーム的SCPはオーラやビームを放つ存在ではありません。何らかの言葉やシンボルを含むSCPで、それを理解した人々に異常な反応を引き起こすものこそミーム的SCPと名付けられるものです。

「ミーム的」影響はオーラで伝わるものではない。

「ミーム的」という言葉は新人職員によって良く「怪しい精神汚染について書かれただけの報告書」と揶揄されるやり方で使用されています。しかしながらミームの本来の意味からすれば、そのようなやり方は間違っていると言えます。あなたが今読んでいるこの文章はそれ自体がミーム的存在であり、何ら魔術的な力を発することなくあなたの精神に影響を及ぼしています。ミームとは情報、さらに具体的に言うなら文化的な情報のことを指します。

財団以外の場所で「ミーム的」という言葉が重大に受け取られている場所は多くありません。そもそも文化的情報の伝播と進化生物学を組み合わせた一つの理論にすぎないわけですから当然です。

どのようなミームが生き残り、どのようなミームが滅びるかは遺伝子と同様に考えることができます。つまり強い生物を生み出し、他の遺伝子を淘汰できるものが生き残るのです。またその拡散性と変異する性質はウィルスになぞらえる事もできます。財団がミーム的という用語を使用する理由はまさにこの点にあります。「知識」という概念自体が伝染性を持つがために、真に危険なミームは山火事のように拡散し歯止めが効かなくなるのです。

ミーム的存在の本質を探るのはかなり際どい試みです。ミームから身を守ろうとして、例えばテレキル合金製のゴーグルを身につけたとしても何も効果はありません。ゴーグルは役に立たない!この文章を「古代チュートン人のような酷いアクセント」を付けて読んだとしても、あなたはまた別のミーム的影響を受けていることになります。さて、もしあなたが「ゴーグルは役に立たない」という言葉がシンプソンズからの引用だと知らなかったらどうでしょう?: おめでとう、あなたはまた一つ新たなミームに感染しましたね。このように知識はそれ自体が伝染性を持つミームなのです。

生き物が遺伝子的なオーラやビームを放ったりすることがないのと同じように、物質がミーム的オーラやビームを作り出すこともまたありえません。もちろん、X-メンの"doofy"のように何らかの遺伝子的影響でオーラやビームを放つようになった生物というのは考えられるでしょう。しかし財団がそういった生物を保管するのは、遺伝子学や生物学的に異常だと判断したからではなく単にその危険な性質がためです。同じようなことがミーム的オブジェクトにも言えるでしょう。財団はそのようなオブジェクトの謎が解明できないため保管しており、多くは今に至るまで殆ど実体を掴めないままです。

ミーム的影響力を持つオブジェクトを初めから危険であると認識できることは極めて稀です。ミームの影響はは我々の精神に入り込み、存在を意識させないため財団はミーム的脅威を収容できていません。危険なミーム的存在がSCP-████やSCP-732SCP-423のように"文化的な情報"の内部で、温和な形で姿をあらわすパターンは非常に稀です。

危険なミームは対象の自覚/非自覚を問わず、何らかの行動の引き金となります。大切な人が憎きライバルと添い寝していたら、あなたは反射的にどういう行動を取るでしょうか?あるいはコトの最中を見つけてしまったら?このような出来事は良識ある人間を殺人者に変えてしまう可能性を持ちます。ほんのちょっとした情報で人間の行動は劇的に変わってしまうのです。

ミーム的脅威から身を守る試みは非常に巧妙で、場合によっては脅威を受け入れるより多くの代償を支払う必要があります。きちんと整えられた音の組み合わせ(つまり音楽)を耳にした時、何らかの感情を喚起されないことはまず不可能でしょう。もし「ゴーグルは役に立たない!」というフレーズを耳にした時にシンプソンズ(あるいはシンプソンズに詳しいオタクの友人)について考えないようにするにはどうしたら良いでしょう?シンプソンズやその友人に関する記憶を消してしまう以外に方法はありません。

"███ █████████ ██████"という言葉を見聞きしないようにすればいい、と思いますか?残念ながら我々は、[データ削除済]を連想しないために自分で知るべき情報と忘れるべき情報を取捨選択することができません。 しかし方法はあります。ロボトミー手術や薬の力を借りれば、ミームに汚染されるよりましな状態を作り出すことができます。人間らしくあるための諸要素――文化的知識、育ち、記憶、アイデンティティなど――が我々をミーム的脅威にさらしている元凶なのです。

そう、つまりあなたに自分が腸を取り出して仲間を絞め殺していると感じさせているのは、玄武岩の石碑や奇妙な彫刻ではありません。問題は全てあなたの内部にあるのです。

もし自分がミーム汚染の影響下にあると気づいたなら、ちょっとした抵抗を試みることは可能です。もしかしたらあなたや同僚の命を救う結果になるかもしれません。つまり、あなたの頭の中にある情報を変えてしまえば良いのです。どれだけ突飛でも不合理でも、一定の効果はあります。

強大な存在がピンクのナイトガウンを羽織っていると想像してみて下さい。呪いの絵には口ひげを加えましょう。石の祭壇には排泄物をぶっかけてやります。恐ろしい彫刻は愉快な絵柄に変えてアクセサリーにしてみましょう。

それでも上手くいかないならもう諦めて下さい。冗談で言ってるわけじゃありません。こういうテクニックは本当に有効なのです。

- ジョナサン博士はこの文章中で"doofy"という単語を使うために特別な許可を与えられています。

ところで
この記事は初め単なるフィクションとして書かれたため、エッセイとしてはやや要点が掴みづらくなっています。この記事の重要なポイントは次のとおりです。

1. - 「ミーム」は情報の伝達に関する概念であり、テレパシーや超能力その他の精神的なパワーとは何ら関係がありません。
2. - SCP-148はミーム的影響には何の効果も及ぼしません。誤用すると恥をかくことになります。
3. - 「精神的な影響」は説明が不十分になりやすい要素です。「ミーム」の誤用を含まない場合でも、あなたのSCPにこの要素を加える際は十分に考慮して下さい。
4. - ミーム的SCPの法則:ミーム的影響+狂って死ぬ=失敗
5. - 帽子のように被るんだああああああああああ!!! (*1)

  • 最終更新:2016-06-14 06:25:20

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