ブラックウッド卿に尋ねよう

ブラックウッド卿に問う - Ask Lord Blackwood © Smapti 2012

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"デーズ君!一体全体私のスリッパはどこにあるのかね!?"

関係当事者殿;

タリーホォー!レディース・エーンド・ジェントルメン!紳士淑女の皆様!セオドア・トーマス・ブラックウッド卿とはこの私、英帝国勲爵士にして第七代ウェストミンスター子爵、それも名の聞こえし探検家にして紳士。

私は「ワールド·ワイド·ウェブ」という定期刊行物で読者に非常に高く評価されていると聞く。そのような雑誌をロンドンで入手する事は出来ず、耳にした事も無かったのだが、デーズが説明するには、電報の動力を利用して遥か彼方の土地の加入者の家まで最新の出来事を伝えるこの上なく技巧を凝らした装置との事。世に驚きの種は尽きないものですな。

さて、私は『科学者』と名乗る、いかさま師や詐欺師連中に、不本意ながら客にされていて、ここで一つ気晴らしがしたい。そこで、私はこの素晴らしい出版物を通じて、私のファンの皆々様に触れ合おうと決断した。私に与えられたこの宿舎には電鍵が無い。(渡されたとしても役立たないだろうが。何の意味あってか、看守は毎日毎日私の部屋を水で満たすと言って譲らないのだ。)しかし、デーズが目ざといガードマンの隙を縫って私への手紙や書き留めを取り集め、これらのページを通して、私の冒険と人生について尋ねたいと望むありとあらゆる全ての人々と連絡が取り合える様にしてくれると同意してくれたのだ。

我が英国の同胞諸君、全世界の兄弟に従兄弟諸兄、ぜひ話してくれ、一体何が尋ねたいのかね?どんな私の偉業が知りたいのかね?私のありのままの人生、時代の秘密を聞きたいかね?私の信条、意見を学びたいかね?この新聞の記者は猥雑な話や機密事項は入念に検閲するだろうが、私は誠実に適切に皆のあらゆる質問にも答えられるよう最善を尽くそう。君の御便りを切に望む。

キリストと共にあらんことを
T.T.B.



ジェクレッド(Jekeled)のお便り:

あなたはウミウシであると気付いていますが。

ブラックウッド卿の回答:

ジェクレッド君──もう私はそのジョークを何度も聞かされて、もはや何も可笑し味も感じ無い。明らかに私は人だ、ウミウシでは無い。ウミウシが如何にして狩りをするというのかね。どうやって闘い、筆を執り、歌い、恋をするというのだ。君には新しい眼鏡が必要なのではないかね、ブライトンに住む私の朋友の眼鏡をお勧めしよう。彼は後ろも同時に見る事が出来る鼻眼鏡を売ってくれた。

おい!君、私は全く同じ型の鼻眼鏡を客間に飾っているのだぞ!これがタチの悪い噓やその類いと言うのかね?

やもすると有り得るな──私はヘンリーの珍妙な機械の偽物で不当な巨万の稼ぎを得たマーシャル・カーター&ダーク社の話を聞いた事がある。私は出来るだけ早く熱素学技師(phlogistonic enginee)にその事を調べてもらおう。君が一体どんな辺鄙な所に居るのか検討もつかないが、きっと、近くの主要都市に連中の内の一人はいるだろう。

そうさ!たとえ悪漢共が私を欺こうが、十分この眼鏡を使い倒したぞ。72年のボラボラ島の生活も救われている。

君だったのかね? (*1)誓って、君、マンティコアが (*2)我々と火薬庫の間に現れたときには、もう駄目かと思ったよ。 (*3) (*4)。君は、フォン・アルムスバッハ男爵(Baron von Almsbach)に何が起こったか知っているかね?

哀れな同胞だ、輝く宝石をネックレスに身に付けるなんて決してするべき無かった。君、知っているな。イーストエンド (*5)で、一番最悪な時にごろつきに闘いをふっかけたのだ。

おおお。何と痛ましい。

我々は、その哀れな彼の胴体から下を見つける事が出来なったのだ……



スワンプレス・シング(SwamplessThing)のお便り:

お目にかかれて光栄です。あなたが最も愛した方とその御方を失ってしまった事についてのお話を聞かせて下さい。

ブラックウッド卿の回答:

スワンプレスシング君へ──私が最も愛したのは、勿論、イングランドだ。神許したまわば、我々は英国を失うという事は無かろう。ここの先生から英国はかつて程、壮健かつ強大では無いという痛ましい話を聞いた──だが尚も英国は不撓不屈であって、我が愛しきヴィクトリア女王陛下は、英邁にして民に愛され王座に在るとも聞いたがね。

私のフランチェスカ伯爵夫人との結婚の話、まあこれは全く別の話しだがね。彼女はナポリ大公の娘だ。いつか別の日に詳しく話そうか──聖ヨハネ騎士団(Knights Hospitaller)は囚人をとらず (*6)、そしてモンゴルのステップは荒涼にして慈悲無きといえば十分だろう。


J・サンブ博士(Dr J Sombre)のお便り:

ブラックウッド卿、最近私は少々難問に出くわしまして、というのも、テスラコイルガンか、工芸品市場で時たま見る小さな法外な「レイガン」だったらどっちの方が良いですか?ブラジルの方あたりを下って行くっていう、ちょっとした探検を計画していまして。熱帯雨林には穴ぼこが一杯あるって聞いた事がありますし、少々の威力を犠牲にして、携帯性を高めるのは利口なのでしょうか?モケーレ・ムベンベ (*7)に遭った時に後悔しちゃいませんかね?(天然の洞窟を価値ある探検をする事できる現地の住民を見つける事無く、私のガイドをお願いしたいのですが……うーん、貴方にお頼みするのは難しいですね。)あと、山高帽かシルクハットならどっちがいいですかね?

ブラックウッド卿の回答:

サンブ博士へ──個人的には分子崩壊マスケット銃が好きだな。だが君の手許に置くのは難しいかも知れん。モス氏のウェイティング・リストは数年先まで予約で満杯だからな。その老人は、アシスタントとして雇った腕白小僧に騙しとられて以降、無いもかも一人でやると意固地になっているらしい。いずれにしろ、電気の武器よりもラジウムの武器の方がどう考えてみても良かろう。

後、君がアマゾンでモケーレ・ムベンベに遭遇する事が無いよう願わざるを得ない。モケーレ・ムベンベに出くわすというのは、気がふれるか丸呑みにされるかという事を意味するのだよ。あの化け物はコンゴ領から逸れるということは滅多に無く、私の従兄弟も南アメリカでは見つけた事は無いらしい。だがね、原住民がマタトロ(Matatoro)と呼ぶ大蛇には注意してくれ。それと人を獣のごとく喰らう巨大ナマケモノにも注意してくれ。

(ちなみに、次サンパウロに行く事になったら"'A história do galo e o touro(雄鶏と牡牛の歴史)"という居酒屋を探して、アーマンドという名のバーテンを尋ねてくれ。年を取ったボイが、今までロンドンの外で飲んだ中では極上のマティーニを出してくれる。)

被り物についてだが、自然の中に居る分にはピスヘルメットが一番快適だ。社交的な場であったならば、シルクハットを被らないよりも、裸を見られる方がマシだ。

まあ、地形を把握すると、私は家に居た方がいいな。良い旅のガイドを得てくれ、私だったら騙されたと思う。


キャットボーイ637(Catboy637)のお便り:

こんにちは、サー。早速なんですけど、あなたの言う「科学者達」達はあなたの部屋を水で一杯にするらしいですね。どうやって生き残ってるんですか?
次に、聖書を読むことって許可されてるんですか?
最後に、あなたの肩書きはもしもあなたが死んだら(神様は許さないでしょうけどね)跡取りとかが相続したりするんですか?

ブラックウッド卿の回答:

キャットボーイ君へ―それは私が水中の中で生活を強要されたのが初めてではないからだ、この私が保証する。結局、それに慣れてしまうんだ。聖書に関しては、私は度々要求したことがあったのだが、全て却下されてしまった。私がイートンで暮らしていた頃には年間聖書知識大会で三回も優勝したものだよ。私は今でもマタイによる福音書やレビ記のほとんどを暗唱することが出来るのだ。

跡取りに関しては―悲しいことに、私の冒険心はまだ家族を築き上げるには時間を使いたくないらしい。ランドルフ・チャーチル卿 (*8)の三男のウィ二ーは私の名づけ子なのだが、それにも関わらず彼が小さな少年だった頃から私は彼に会っていないのだよ―まぁ、彼は良い人生を送っているようだし、私の考えとしては土地や肩書きは彼(あるいは彼の子孫に)相続したいね。

ところで君は古代ギリシャのオリンピックを再び催すと言う計画を知っているかね?素晴らしきロンドンがそれの新たな開催地に選ばれたらしいぞ。

実に素晴らしい知らせだね―ギリシャ人がかつてそうしたように、走者が裸になって走るわけではないだろうが。

ブラックウッド卿はこれまでにアフリカのアマスキ族に会った事はあるかって?ふむ、あの民族達には奇妙な言い伝えがあってな、君がどんなに調査しようともそれについての知識を得るには難しいだろうな。

これはまた別の話になるが、君に赤道の近くを旅行している時に日焼けを防ぐ最良の方法はわかるかね?

ドレバー(Drewbear)のお便り:

いいえ、違います、裸ではありません。確かに近くはありますが。競技者の男性と女性(ええ、実際にはね!)どちらも物理的に激しい競技に参加する場合、ゾッとするような、体にぴったりとフィットした服を着用する傾向があるようです。

個人的に、私はアーチェリーや射撃、馬術などの威厳あるスポーツ競技が好きです。それは水泳や体操の競技に出場する女性達を見るのが嫌いだということでもありまして、素晴らしい場乗馬術を披露する貴婦人よりも素晴らしいものは無いと思うんです。あと、女性がスキート射撃で素晴らしい記録を残した時ですね!100の内の99ヒットですよ!悲しいことに、皆が使用しているのはもっと強力な武器ではなく普通のライフル銃なんですよね。



ボア・ノアのお便り:

デーズ氏からはどんな匂いがしますか?

ブラックウッド卿の回答:

全く以て変わった質問だ、されど答えると私は彼からしばしば瑞々しいライラックの香りがする事を見出している。如何なる香水か秘訣があるのか、彼は答えてくれないがね。

ありがとうございました、お元気で紳士殿。



スクラットスキナー(Scratskinner)のお便り:

自分をウミウシであると信じ込んだ男に出会ったことはありますか?
この時代の娯楽で、貴方の御眼鏡に叶うようなものはありましたか?

ブラックウッド卿の回答:

自身をウミウシと思い込んでいる男だったね、スクラットスキナー君? 無いと答えておこう──そのような考えは狂気の沙汰であるし、私は狂人と親交を持ったことなどない。

この施設の外の世界の娯楽についてだが、残念ながら近頃は調査する時間もろくに取れなかった。だが、前世紀中からクリケットの試合が大変な人気を博すようになったという話は耳にしているよ。つまるところ、紳士の熱情にまっこと相応しいスポーツこそ我が友ということだ!

(聞く所によると、アメリカ人という輩は当然ながらクリケットをまったく誤解しているようだ。)



ロードリーアワー(Lordlyhour)のお便り:

御機嫌よう、敬愛なる探検家殿!
卿にお聞きしたいのですが、口ヒゲについて何か持論をお持ちですか?ムスタチオ(訳注:ムスタッシュとも。口ヒゲの意。)を健やかに保ちたいと望む者への助言は何かありますか?

ブラックウッド卿の回答:

ロードリーアワー君へ──ブラシ掛け、毛並みの手入れ、そしてワックスを欠かさぬこと。何はなくとも ワックスだ。



ドレバー(Drewbear)のお便り:

顎ヒゲの維持に関してアドバイスを頂けませんか?私は素晴らしく豊かな顎ヒゲに恵まれているのですが、愛する人の頬に接吻しようとする際に酷く邪魔になるほどモジャモジャになりがちなのです。

ブラックウッド卿の回答:

顎ヒゲだって?それは何ともお気の毒様だ。それが君にとっての重大事であるならば、できればロシア人に相談すべきだろう。私は見事で上品な英国流のムスタッシュ以外生やしたことが無いのだよ、お便りどうもありがとう。



スワンプレス・シング(SwamplessThing)のお便り:

閣下に対し、大胆にも別の質問をすることをお許し下さい。シェイクスピアの作品でどれが最もお気に入りですか?またその理由は?

ブラックウッド卿の回答:

スワンプレス・シング君へ──詩人の作品は絶えず私にインスピレーションを授けてくれる。私は"ジュリアス・シーザー"こそ彼の最高傑作であると常々思っているが、58年頃の戦でオベロン自身と対面した出来事から、我が胸中において"真夏の夜の夢"は特別な地位を占めているのだ。(もし君に妖精郷へ辿り着いた経験があるならば、女性から差し出された飲み物を受け取ることが即ちプロポーズを意味すると警告されたことだろう。婚約を反故にされた妖精が決して優しくはないということも。)



ブライト博士(Dr.Bright)のお便り:

国教制廃止主義反対主義(antidisestablishmentarianism)についてどう思うかい?

ブラックウッド卿の回答:

なにを隠そう、私は国教制廃止主義反対主義者で、そう自らを呼ぶのを誇りとしている。無神論者と堕落者どもには、フランスに突っ込んでやりたい気持ちだ。

それはそうと−君と一度会ったことがないかね?ミスター・ブライトという人物には74年に会ったような気がするのだが。


(以下数十のお便りが控えています。未翻訳ですので、一つ訳せたならば追加編集して下さい。)

  • 最終更新:2016-06-13 21:43:28

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